熱中症を東洋医学で考える

暑いですね~

毎日ニュースで熱中症で救急搬送された方の人数が報道されています。

そこで、熱中症について考えてみたいと思います。

 

ここ数年はコロナの影響でマラソン大会のボランティア活動がないのですが・・・

マラソン大会での鍼灸施術ボランティアには学生の頃からよく参加させていただいていました。

大きなマラソン大会の場合にはDr.も常駐していますので、熱中症の方は基本的には鍼灸には来られません。

ただ、稀に軽い熱中症疑いの方が来られることはあります。

その際にベテランの鍼灸師さんが「脾虚で治療するんよ」と言われていました。

 

脾虚・・・?

簡単に言うと胃腸が弱ってるということです。

熱中症になりやすい方はもともと胃腸が弱い、または生活習慣で胃腸を弱らせてしまっている可能性があります。

 

日本人は胃腸が弱い方が多いんです。

そして、この梅雨から夏にかけての湿度が高い時期は特に胃腸が弱りやすくなります。

なぜなら、胃腸は湿気が嫌いだからです。

 

湿気以外に胃腸を弱らせてしまう原因は

・冷たいもの

・甘いもの

・油っこいもの

・暴飲暴食

などです。

心当たりはありませんか?

 

暑いから熱中症予防だと思って

・冷たい食べ物・飲み物で身体を冷やす

・クーラーがガンガンに効いた部屋で過ごす

よかれと思ってやっていることが、実は胃腸を弱らせ、熱中症になりやすい身体にしてしまっている可能性があります。

 

人間は恒温動物ですから、体温を一定に保つようになっています。

これは自律神経が調節しています。

冷たいものを食べたり飲んだり、外から冷やしすぎたりしていると、身体は体温が下がらないように熱を作ろうとします。

冷やそうとすればするほど熱をつくりますし、そこにエネルギーを使ってしまいます。

 

Twitterで「冷たいのもを飲んでも温かいおしっこが出るでしょ?」と書かれている方がいらっしゃいました。

そうなんです。

冷たいものを摂っても身体は温めようとするんです。

だって、体温が31度以下になると死亡する可能性があるんです。

余談ですが、体温が42度以上になっても死亡する可能性がありますから、温めすぎるのもどうなんでしょうね?

 

もちろん、炎天下にいる場合や、熱中症の兆候がある場合には冷やす必要はあります。

が、日頃から予防的に冷やしておくことなんてできないのです。

そうすればするほど、身体は冷えて体調を崩しやすくなってしまいます。

 

熱中症になってはいけないからと飲むスポーツ飲料なども然りです。

予防的に摂取しても、過剰になっても体調を崩してしまいますから、過剰なものは排泄されます。

汗が出ないのに水分を摂り過ぎても、胃がちゃぽちゃぽになって胃腸に負担がかかります。

この排泄でも余計なエネルギーの消費をしてしまいますよね。

 

なので、予防的に冷やす、予防的に過剰に水分摂取をすることは難しいです。

予防としてできることは、

・冷たいものを控える

・冷房の温度を下げ過ぎない

・適度に外に出て暑さに身体を徐々に慣らしていく

ということになります。

 

今後、どんどん気温が上昇し、毎日40度越えとなる日も遠くなさそうです・・・

難しいですが、熱中症対策をしつつ、暑さに負けない強い身体をつくることを考えましょう。